治療の心構え(1)

治療ついて

精神科に行こうと決めたら

心の状態がツライ。そうして、勇気を振り絞って、心療内科、精神科の門を叩いた。
けれど、予約が必要、早くても一ヶ月後なんて言われてしまい、がっくりと肩を落としたり。
世界に見捨てられた感を味わうこともあったりします。
心のお医者さんは、現在とても需要がある、というか、患者さんが増えているのも確かなのです。仕方ないと言えばそうでしょう。

しかし、それでも一ヶ月後には診てもらるのです。世界はあなたを見捨ててなどいません。

今すぐ話を聞いてもらいたい。一ヶ月後まで生活が持つか分からない。
そうかもしれません。でも、ここまでものすごく頑張ってきたのですから、せっかくだから、その一ヶ月は耐えてみてほしいのです。ここの部分だけは、耐えるしかないように思います。周囲に協力を仰げるなら、お願いしてください。なんとしても、通院にこぎつけましょう。
だから、行こうと思えたときに、予約はしましょう。それまでに元気になったら、断ってもいいですし、予約さえしておけば、絶望の中でも、一日一日、確実にその日が近づいてきますから。ね?

緊急を要すると判断されれば、即診察となることもあります。
アポなしで行ってみて、診てくれるところもあるにはあるでしょう。
でも、予約→受診が基本になっています。

その待っている一ヶ月の間に、自分の伝えたい内容を整理してみるのもいいかと思います。現在の生活についてや、何に困っているのか、どうしたいのか、どうなりたいのか。何に困っているかすらわからないくらいに困っているなら、それをそのままで良し。
箇条書きでも、殴り書きでも、何でもいいです。突然、話せと言われてもすごく難しいです。

困っていることを伝えるだけのことも、実は難しいことです。何に困っているのかすら、把握できないほどに困っていることもあります。

眠れない、やる気が出ない、憂鬱、体が動かない、なんでもいいのです。こんなことを言ってはいけない、なんてものはありません。
遠慮や出し惜しみは勿体ないです。治療するにはあなたの状態を少しでも多く知ってもらうことが近道です。

医師には守秘義務があります。患者の話した内容を不用意に扱ったりしません。
そして、その道のプロです。なにを言っても引いたりしませんし、笑いません。幻滅もしない、ため息だってつかない。それがちゃんとした心の医療に携わるものです。

さあ受診日がやってきた

保険証、多少の現金(5千円あればたぶん余裕で足ります)、お薬手帳を持っていきましょう。

既に書きましたが、あらかじめ伝えたいことをメモしておくと本当に助かります。
いざ、診察室に入ると、緊張で何も言えないなんてこともよくありますから。
その状態を見て、ああ、こんな感じね、となんとなく察してもらえることもありますが、せっかくの診察日。お金を払っているのです。言いたいことをできるだけ伝えましょう。

とはいえ、診察時間は無限ではありません
その医師の方針にもよりますが、じっくり話を聞くタイプ、要点だけを聞くタイプ、最悪、処方だけするタイプがあったりします。

患者は残念ながらあなたひとりではなく、たくさんいるのが事実。あなただけにたくさんの時間を割いて、ともいきません。

じっくり話を聞いてほしいのに、全然聞いてくれない。相談しても答えがない。そんな不満を感じる方は多くいます。

そんなときに、メモがあると大変に役立ちます。
話すことは困難でも、文字になら出来ること、もあるでしょう。話すのがつらいなら、メモを渡すだけでも良い。
たくさん話したいことをメモにすることで、ときに時間の短縮にもつながり、医師も現在の把握に役立つこともあります。その中で、医師が重要だと感じたことについて話したり。

とにかく、診察時間は無限ではないので、できるだけ有効に使いましょう。

診断を急がない

自分は病気なのか。どこが悪いのか。
なんという病気なのか、なんたら症候群、なんとか障害、などどんな状態にカテゴライズされるのか。
気になるところだと思います。医師に、自分は何という病気なのか?そう尋ねたくもなります。

尋ねるのは別に悪いことではありません。
ですが、この病気です。と早々に判断するのは、心(というか見えないところ)というものが対象であるため、難しいです。

診断名がないと不安になることもあるでしょうし、診断が早急に必要なこと(会社へ診断書を提出するなど)もあります。

ですが、あなたのことをまだよく見ていない状態で、一度や二度の診察で、あなたはこの病気と断言してしまう医師には、個人的には少し注意が必要だと思います。

いろんな病気の可能性を考えて、そうして導き出されたものならともかく、一度や二度の診察で、そう上手くいくことはあまりないでしょう。

~ハココの場合~
ハココは、神経衰弱状態→統合失調症→解離性障害、と診断名が5年くらいの間に変わりました。
とくに、解離性障害と診断したのは、二番目の主治医で、最初の診断に疑問を感じたのは「佇まいが違うから」とかもう感覚みたいなもの。そして、じっくり診て、ついた病名が解離性障害です。
ずっと、統合失調症とされて、それ用の薬を飲んでいたのにです。
うっそーん、まーじでー?と同時、納得したり。

診断に慎重な医師というのは、別に無能だとかではなく、あなたの状態をちゃんと見極めようとしてくれている良い医師かもしれません。

便宜上、〇〇病疑い、などを診断に書くことがあります。でもそれは疑いがあるという状態であって診断名ではないです。が、現在、そのような状態と主治医は理解しています、ということにはなります。

中学生で精神科にデビューしてしまったハココは、早く病名が知りたくて仕方ありませんでした。病気だと言ってもらえれば、安心できる気がしていたのです。病名がない自分はただの甘え病だと言うことになってしまうと思ったから。
ですが、通院を続けるよう言ってくると言うことは、その必要がある状態だ、ということ。なんらかの病態を示していると言うことです。

ハココは当時の主治医(解離の診断をしてくれたひと)に、自分は「病名があると安心する症候群」です。と言っていました

処方箋について

処方箋は基本どこでも受け付けてくれますが、精神系のお薬をそろえていない薬局はあります。その場合、取り寄せとなり時間がかかります。
病院、クリニックで教えてもらえる薬局が無難です。
病院の規模によっては、薬局での待ち時間が診察の待ち時間より長い場合もあります。

病院と医師と自分の相性

はじめていく心療内科、精神科、それなのに相性なんて簡単にはわからないでしょう。
医師との相性もなかなかわかりません。

でも、信頼できない医師に治療を任せようと言うのは心理的につらいです。
通院や診察自体がストレスの原因になってしまうこともあります。それでは元も子もありません。

長い間そこに掛かってから病院を変えるのは面倒になってしまったりします。
主治医にも申し訳ない、と思ってしまったり。
医師によっては、紹介状を書くのを渋るなんて話を聞いたこともあります。
ですが、治療をしたいと思っているのは患者であり、治療が上手くいかないときに被害を被るのは患者で、それでも当然その患者は治療費を払っています。
患者には望む病院で医療を受ける権利があると思います。

個人のクリニックでなければ、同じ病院の中でも、いろんな医師がいます。
合わないな、信頼できないな、と感じるならケースワーカーなどに相談し、医師を変えることも考えましょう。

もし、近くにいくつかのクリニック、病院があるなら、そのものを変えてみてもいいと思います。

でも、すべて望む通りの医療というのはなかなか難しいです。立地や、移動手段、通院にかかる時間、などことも考慮して、一番近いものにするしかありません。

~ハココの場合~
ハココは最初の心療内科がとても合わず、診察の途中で自殺を決意し抜け出し、国道へ走ったことがあります(追いかけてきた看護師に取り押さえられましたが)。
その後、いくつかの病院を見て、最初の結局、その心療内科が紹介状を書いた病院に10年くらい通いました。
でも、その病院はとても込んでいて、予約をしても待ち時間が長く、がやがやと騒がしいロビーがとても苦痛でした。そのうえ、症状は悪くもならないけれど良くなることもない。
一念発起して、市役所の福祉課に相談。もう熱心にしつこくプレゼンしました。そしていくつかの選択肢をもらい、その中のひとつに主治医に紹介状を書いてもらえました(ちょっとほっとした表情だったような……?)。
それが現在通っている病院です。予約の時間はだいたいその通りになり、ロビーも静かです。医師にも満足できて、早く変えればよかった、と思っています。医師の勤務の都合で、3人目の主治医になっていますが、どの方も信頼できました。症状も劇的に良くなり、病院、医師を選ぶことは大切だと感じます。

能動的に治療に参加しなきゃ勿体ない!

何が言いたいのかというと、ある程度の主体性を持つことが、回復に必要な場合がある、ということです。
「治療してもらう」のは確かですが、「治療に対する患者の姿勢」も大切です。
医師がどんなに頑張っても、患者にその気がなければ、本当の治療にはつながらないのです。
「治してください」ではなく「治したいので協力してください」というスタンスが望ましいと思います。
治らないからって、すぐにyabu判定はしないであげてね?

/// 精神福祉障害者2級 // 解離性同一性障害 / PTSD / 発達障害グレーゾーン / 性被害サバイバー ///
ギリ30代のアラフォー女。
考えることが好き。思考することが生きる目的。猫様を信仰したい。
かなりの変人を自称する、要するに変人。

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