poetry

詩のようなもの

詩「わたしは白猫」

わたしは白猫わたしは涙に色があると知っているわたしの涙は墨のように真っ黒だときに粘度を帯びていて頬を裂きつつ流れ落ちるけれど誰かの涙の色は判らない涙は確かに見えているのに色は判らない涙としてしか見えないそれでもわたしのものより絶対的に奇麗な...
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詩「ふるさと」

ふるさとわたしの空が落ちたその日のあなたの夕焼けは奇麗でしたか誰も彼も普通の顔をして今日という日を終えてゆきます夢や希望や愛が満ちて幸福の余韻に浸っているような日を誰と彼とは普通の顔をして明日という日にするのでしょう通りすがりの優しい言葉に...
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詩「世界が終るとき」

世界が終るときシロツメクサを器用に紡いで冠を作ってくれた長くて細い指わたしははにかんで見せてかわいいよ。笑うあなたの足元ぷつん。切れた茎の断面を見る誰かの犠牲の上で成り立つしあわせなんてでも それが当たり前なんだろう茜色の空を見るとどうして...
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詩「ただいまを言えない日」

ただいまを言えない日春の冷たい朝の空気知らない街並み 彷徨うように不満そうな顔をした子犬裸足のわたしを見上げてそっぽ向いた確かに強く願ったはずのあの日の言葉すら見失ったらこんなからっぽの箱に意味はあるのかな丁寧に爪を切るそれしかできないただ...
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詩「閉じた世界より」

閉じた世界よりここは何処なの?誰がわたしなの?混乱は承知の上でただひたすらに考えるのは今夜の夕食の献立のこと落とされる回想の鮮やかな色薄墨の空を汚す要らぬ色遠くから聞こえる団らんの灯と耳元に響く金切り声の冷たさ堪らず 世界を閉じさせた夜の空...
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詩「明日とか」

明日とか子供の頃に夢見ていた素敵な大人にはなれなかったけどこんな自分もそれほどには悪くないんじゃないって言えるほどにわたしは強くも弱くもなくて今日と明日と明後日ととりあえず生きていけるけれどそんなにがんばれるわけじゃなくてクリームシチューを...
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詩「本日も晴天為り」

本日も晴天為りわたしは本棚に棲んでいる今日の髪色は桃の花瞳は若草色に染めて少し左を気にしつつ隣の部屋で鳴り響く音楽上の階はある種の異世界下に階ではミシンが走る壁にはドアノブがずらり並んでええ、そうね……。オレンジのネコがこっちを見てるわカギ...
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詩「ナイフ」

ナイフ明日わたしは眠ります昨日殺されましたので丁度良い頃合いかと存じます夢は見ないと思います疲労が溜まっておりますので死んだように眠れるかと幾つか痣がありますどうしてか消えてくれないことは気にしないことにします右腕には柴犬を左腕にはシロクマ...
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詩「nobody cares」

nobody cares小さく小さくお辞儀をしましたわたしはとっても小さいから小さな挨拶しかできません小さく小さく謝りましたわたしはとっても小さいから小さな謝罪しかできません小さく小さくお礼をしましたわたしはとっても小さいから小さな感謝しか...
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詩「Sing a Song」

Sing a Song歩くのはあなたの足見つめるのはあなたの瞳喋るのはあなたの声聞くのはあなたの耳感じたのはあなたの心孤独だとして憎しみだとして考えたのはあなたの脳経験に裏付けられてでもあなたのためにわたしの……そうねわたしはなにもできない...