散文

詩のようなもの

詩「林檎」

林檎 今日はお出かけすまし顔でオシャレをするの森のクマさん ご機嫌いかが?再会をお祝いましょう 肩に乗って?鞄に隠れて?飽きの来ないチェック模様の スキップで駆け抜けた季節は巡って巡るけれども香りはそれぞれ色褪せもしない もう忘れたい待てど...
詩のようなもの

詩「死にゆく中で生きゆくわたし」

死にゆく中で生きゆくわたし あなたが発する悲しいを 悔しいを ツライをこの心に刻みつけるためにもわたしは生きてゆきたいのです自身の心臓が止まるときまであらゆるひとの苦しみを刻んでいたいのです 生きることに意味は必要でしょうか?有意義なことだ...
詩のようなもの

詩「正義」

正義 どっかの国は戦争/紛争どっかの国は独裁政権どっかの国は貧困/麻薬どっかの国の差別主義どっかの国の宗教弾圧そしてわたしは、勉強嫌い 遠くにある良くないこと助けを乞う声 悲痛な叫び見えなければ 聞こえないから楽しいだけで遠慮もない 何が正...
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詩「ヒツジの話」

ヒツジの話 迷子の夢見るヒツジにお願い事をしてみたセーターを編んで着せてあげるからそのふかふかの毛を刈らせてくれないかな?ウールのセーターは暖かいらしいから、ね? 二つ返事でヒツジは快諾してくれてだからお礼にセーターが編みながら一緒においし...
詩のようなもの

詩「殺気」

殺気 コップのお水にお砂糖をほんの少しだけ混ぜましたそんな罪悪感を抱いて今日は眠りにつくのです お砂糖に襲われる夢を見ました ココアの粉末をいつもより多めに入れて濃厚にそんな不安を胸にしながら明日はお出かけしようと企みます ココアの海で遭難...
詩のようなもの

詩「シャリラ」

シャリラ こんな夜には何も視たくない何も訊きたくない何も云いたくない何も感じたくない何も考えたくない何もかもが無意味に思えるこんな夜には こんな夜には笑いたくない泣きたくない食べたくない飲みたくない眠りたくない心も体も怒りに支配されているこ...
詩のようなもの

詩「あなたへ」

あなたへ あなたに 死なないでと言いたい 無責任にだって わたしは あなたに居てほしいあなたが どんなに 苦しくても居てくれたなら こんなにも うれしいだから 死なないでって言いたい 無責任だけど その代わりにわたしにも 言っていいよ死なな...