オートガイネフィリアはトランス女性ではない?
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前回のおさらい。
では、第2弾、いきましょう。
まず、国連のトランスジェンダーの定義に関して「事実」か「デマ」かの争いがあることを蒸し返します。
これが捏造であると言っている人がいます。
が、わたしにはそれが事実である証明がまだ見つけられません。
さらに、これが国連の定義として過去に存在したという事実も、わたしのネットスキルでは見つけられていません。
とりあえず、誤読だとする人の根拠を読んでみる。
>Transgender (sometimes shortened to “trans”) is an umbrella term used to describe a wide range of identities whose appearance and characteristics are perceived as gender atypical —including transsexual people, cross-dressers (sometimes referred to as “transvestites”), and people who identify as third gender.
トランスジェンダー(「トランス」と略されることもある)は、性転換者、クロスドレッサー(「トランスヴェスタイト」と呼ばれることもある)、第三の性としてアイデンティティのある人々など、その外観と特徴が非定型の性別として認識される、広範囲のアイデンティティを表すために使用されるアンブラタームだ。
これだと、ちょっとわかりにくいが、ジェンダー・アイデンティティの記述を読むと分かりやすい。
>Gender identity reflects a deeply felt and experienced sense of one’s own gender. Everyone has a gender identity, which is part of their overall identity. A person’s gender identity is typically aligned with the sex assigned to them at birth. Transgender (sometimes shortened to “trans”) is an umbrella term used to describe people with a wide range of identities – including transsexual people, cross-dressers (sometimes referred to as “transvestites”), people who identify as third gender, and others whose appearance and characteristics are seen as gender atypical and whose sense of their own gender is different to the sex that they were assigned at birth.
性同一性は、自分自身の性別についての深い実感と経験した感覚を反映する。誰もが性同一性を持っており、それは全体的なアイデンティティの一部だ。人の性同一性は通常、出生時に割り当てられた性別と一致する。トランスジェンダー(「トランス」と略されることもある)は、性転換者、クロスドレッサー(「トランスヴェスタイト」と呼ばれることもある)、第三の性としてアイデンティティのある人々、外見と特徴が非定型の性別として見られ、彼ら自身の性別の感覚は彼らが出生時に割り当てられた性別とは異なる人々を含む、広範囲のアイデンティティを持つ人々を表すために使用されるアンブラタームだ。
要するに国連のトランスジェンダーの定義は、非定型的なジェンダー・アイデンティティを持ついろんな人、ということだ。
ここで、クロスドレッサーは文脈からしても「非定型的なジェンダー・アイデンティティを持ち、異性装をする人」という意味だろう。
私自身クロスドレッサーcrossdresserは文献等で「精神医学的用語のtransvestiteに対して、脱病理化の主張を込めて、異性装者をそう呼ぶようになった」という理解だった。
だから、国連の定義も、さっと、何も引っかかることなく読んでいた。
だが、あらためてcrossdresserを検索してみて驚いた。特に2ページ目からは、謎のエロページ誘導サイトがずらっとならぶ。つまりcrossdresserはポルノ英語というか、性的行為を強く連想させる使用例が多い。
だとすれば、そういう英語に慣れ親しんでいると、国連のトランスジェンダー定義を読んで「クロスドレッサー」という用語が含まれていると、誤読し、autogynephiliaと近似の意味で理解しうるということもおこるのだろう。
ただ、やはりそれは誤読であり、ここでのクロスドレッサーcrossdresserは「非定型的なジェンダー・アイデンティティを持ち、異性装をする人」という意味だろう。
これを呼んでもわたしは誤読であるとは考えられない。
なぜなら、この誤読主張さん本人の言葉で「国連のトランスジェンダーの定義は、非定型的なジェンダー・アイデンティティを持ついろんな人」と言っていることが答えだ。
非定型的なジェンダー・アイデンティティを持ついろんな人に「オートガイネフィリア」は含まないと書かれてもいないのだから。そして「オートガイネフィリア」はまさに非定型的なジェンダー・アイデンティティを持つ人である。
つまりは、誤読と言うには無理がある。
そして、再びの「乙女塾」の登場です。
注目すべきはこの部分である。
AG(オートガイネフィリア)とSRS
見た目上はトランスジェンダーと変わらないので、性同一性障害と診断されSRSまで行き着く場合も少なくありません。その場合、性欲由来なので(性欲がなくなり)後悔するというケースと、女性化の究極系であるとして女性としてなじむケースがあります。
実際に自称AGで性別を変えた人たちが周りにいますが女性としてなじんでいます。過去の海外のデータでもSRS後の予後は比較的良いとされています。
AGとMtFレズビアン
AGが難しいのは狭義の意味ではトランスジェンダーにとって自らの女性化は興奮とはいかなくても安心する・ほっとした・喜びという感情で語られることが多くその差が難しいこと。もう1つは元々の由来がMtFレズビアンを説明するために作られたということです。
つまり、古くはMtFトランスジェンダーは男性が好きと考えられた中で“例外ケース”として女性が好き、性的欲求が他者に向かないケースを説明する必要がありました。
つまり、男性が好きな「非同性愛性転換」とは違うという考え方です。
wikipediaでもカナダの裁判の事例が「2001年8月31日付けのカナダ人権裁判所(en:Canadian Human Rights Tribunal)の記録の第18節にも「異性愛的性転換者(heterosexual transsexual)はオートガイネフィリアであり、性転換手術後は自称レズビアンとなり、」としています。
そして、「自己女性愛性転換」という言葉を紹介しています。
この考え方でいうと現在のトランスジェンダーのうち女性が恋愛対象の場合は「AG」と定義されることになります。
どうでしょう?
トランス女性のための情報が集まる「乙女塾」では「オートガイネフィリアはトランスジェンダーである」としているのです。
「女性らしさ」に対する執着と追及が目的のトランス女性が「オートガイネフィリア(AG)」と乙女塾の解説で理解したのだけれど……。
そうでない(「女性らしさ」に対する執着と追及をしない)トランス女性をわたしは見たことが、無い!!!!
とりあえず、オートガイネフィリアもトランス女性なのは事実ってことでいいかな?
というハココの意見は置いてけぼりに、日本社会ではトランス女性はオートガイネフィリアとは違いますとされています。
さらに、ハココとしては非常に胡散臭いと思う内容の回答しかない日本でのトランスジェンダーに関する手引きをみつけました。
どこが胡散臭いかって、とりわけQ&Aです。
疑問と疑惑は全否定です。その根拠もうやむやです。とにかく間違いですよ、というだけです。
社会の動きを見て、自分で考えて、メディアを問答無用で信用しない人にとっては胡散臭いものでしかありません。
逆に、議論をするための教育がされていない日本人には容易に受け入れられるものだとも言えます。
オートガイネフィリアの実際の数
文春では日本に70万人いる?と言われていると書かれている。
さらに「トランス女性の82%がオートガイネフィリアだと言われている」と主張する人もいる。
下記の動画をご覧くださいな。
https://twitter.com/WomenReadWomen/status/1681935340636893185
この動画には「なるほど」としか思わなかった。
この動画に対して反論しているトランス女性をわたしは見たことがない。
わたしが見ていないだけで、どこかで論破()しているのかもしれない。
noteに内容を文字に起こしてくださっている方がいます。
「生物学的女性の権利を守る会」さん、お借りします。
トランス女性の82%のAGが見えないのはなぜ?
それは当然ですよね。
だって、女性化(女体化)することで性的興奮する人は「トランスジェンダー」ではないとされつつあるし、日本では「性自認が異性である人」のことを「トランスジェンダー」としているのですから。
まず、女体化するためには「性同一性障害」という診断を受けなければなりません。そうしなければ、ホルモン治療もできません。
覚えていますか?
日本での「性同一性障害」という診断は「ホルモン治療」や「性別適合手術」を受けるために必須とされているらしいです。
つまりは「オートガイネフィリア」は、日本では存在できないのです。
本当はオートガイネフィリアであっても、女体化のために「性同一性障害」であるという診断が必要なので、自動的に本物のトランス女性である証明を得ることになるのです。
上記から「オートガイネフィリア」は日本で「トランス女性」と呼ばざるを得ない状況にもあると考えられます。
しかも「オートガイネフィリア」はMtFにも嫌悪されるとか。
五十歩百歩に感じるんだけど……。だって、著名なトランス女性の女体への執着もヤバいし、執着を拗らせて女性蔑視と嫌悪をまき散らしてるし。そもそも、還暦で女子高生の制服着て学校で講演してる人はどうすんの。
そもそも、自分が「オートガイネフィリア」だとすることは都合が悪いじゃん。認めるトランス女性なんてそうそういないでしょ。
そうです。自分にとって都合の悪いことを認める人なんていません。
だから「オートガイネフィリア」は透明化します。
それでも、隠しきれない女体への執着、トランス女性の多くが「女性らしさ」の追求に勤しんでいることから、疑念しかありません。
なによりも、納得できないのは、
トランス女性の性加害が発生すると「あれは偽物でした」とトランスを擁護する人たちが揃って掌返しをすることです。
「偽物」だなんて他者が勝手に決めつける権利があるんですかね?
性自認が女性の身体男性はみんなトランス女性だと定義されています。
なのに、性犯罪をするのは「トランス女性ではない」なんて……。
ふざけてるんですか?
勝手に他者の内面や性自認を自分たちが決めつけて判断することは正しいって何様ですか?
(続く)